売る

住み替えで今の家を売って新居を買う段取り・資金計画

住み替えで今の家を売って新居を買う段取り・資金計画

この記事の要点

  • 売り先行は資金が確定してから新居の予算を組みやすく、買い先行は新居を選びやすい一方でダブルローンのリスクを伴う
  • 住宅ローン残債は売却代金で完済できるかを先に確認し、不足額は自己資金かローンで埋める前提で計画する
  • 譲渡所得の長期・短期は「譲渡した年の1月1日現在の所有期間」で判定され、築年数とは別物
  • 3,000万円特別控除と買換え特例は併用できないため、どちらを使うかを事前に比較しておく
  • 仮住まい・二重の引っ越し・つなぎ融資の費用は、段取り次第で発生額が大きく変わる

「先に売りますか、それとも先に買いますか」。掛川市内の持ち家について不動産会社に相談すると、たいてい最初にこの質問を受けます。子どもの独立や親との同居、通勤事情の変化で住み替えを考え始めた方にとって、ここが最初の分かれ道です。本記事では、掛川で今の家を売って新居を買うまでの順序と、その間に動くお金の全体像を整理します。売り先行と買い先行の向き不向き、査定から引き渡しまでのスケジュール、住宅ローン残債が残る場合の考え方、譲渡所得の税制まで。なお、ここで扱う売却価格は市場で売れる想定価格を指し、固定資産税評価額などとは別のものです。

掛川での住み替えに伴う売却とは、現在の住まいを売却し、新しい住まいへの買い替えを進めることです。売却時期や資金計画、引っ越しのタイミングを整理して進めることが大切です。


掛川での住み替えは「売り先行」と「買い先行」どちらが正解か

売り先行と買い先行は、手元資金や住宅ローン残債、新居の購入時期などを踏まえて選ぶ必要があります。

住み替えを考え始めると、まず突き当たるのが「今の家をいつ売るか」という順番の悩みです。先に今の家を売る「売り先行」と、先に新居を決める「買い先行」、どちらを選ぶかでその後の資金計画も仮住まいの要否も変わってきます。どちらか一方が常に正しいわけではなく、ご家庭の資金状況やタイミングによって選ぶべき順番は変わります。

売り先行の一番のメリットは、売却代金を確定させてから新居の予算を組める安心感にあります。住宅ローン残債を差し引いた手取り額がはっきりするため、無理のない資金計画を立てやすくなります。一方で、売却と新居探しの間に仮住まいが必要になりやすく、引っ越しが二度手間になる点はデメリットです。

買い先行は、新居をじっくり探して契約できるのが魅力です。焦って希望に合わない物件を選んでしまう心配が少なく、仮住まいを避けられる可能性もあります。ただし、今の家が売れる前に新居のローンを組むと、一時的に二つの住宅ローンを抱える「ダブルローン」の状態になりやすく、資金繰りの負担は軽視できません。

掛川市の地価は地点ごとに動きが異なるため、市全体の傾向だけで売却時期を判断するのは適切ではありません。地価公示・地価調査などの公的情報に加え、対象物件周辺の成約事例や査定結果を確認したうえで、売り先行・買い先行のどちらが資金計画に合うかを判断してください。

住み替えの全体スケジュールと進め方の流れ

住み替えにかかる期間は、売却活動や新居探しの進み方によって変わるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。

売り先行・買い先行のどちらを選んでも、住み替えの基本的な流れ自体に大きな違いはありません。ここからは、実際にどのような手順で進んでいくのかを具体的に見ていきます。

売却の一般的な流れは、情報収集、価格査定の依頼、不動産会社との媒介契約、販売活動、買主との売買契約、引き渡しという順序です。査定を受ける前に、固定資産税の課税明細書や購入時の資料、増改築の記録を手元にそろえておきましょう。根拠のはっきりした査定額を提示してもらいやすくなります。書類が揃っていないと査定の精度が下がり、後々の契約手続きで慌てることにもなります。

新居探しは、売却の進み具合と並行して動かすのが現実的です。売り先行であれば、買主との契約が固まった段階から本格的に物件探しを始める世帯が多く、引き渡し日と新居の入居日をどう合わせるかが調整の要になります。買い先行なら先に新居の契約を決められる分、今の家の売却活動はその後にじっくり進める形です。ただし、新居の引き渡し時期に売却が間に合うかという、逆方向の心配が出てきます。契約日と引き渡し日のずれをどう吸収するか。これがどちらの順番でも、住み替えの段取りの核心です。

このずれを埋める手段が、仮住まいとつなぎ融資です。売却が先に決まって新居の引き渡しがまだ先という場合は、賃貸住宅などの仮住まいに一時的に移り、荷物を預けながら新居を待つ流れになります。逆に、新居を先に契約したものの今の家がまだ売れていないケースもあります。その際は、売却代金を新居の購入資金に充てる予定だった分の穴埋めとして、つなぎ融資という短期の融資を利用する選択肢があります。仮住まいもつなぎ融資も、いずれも「順番のずれ」から生じる一時的な負担です。どちらが発生しやすいかは、売り先行・買い先行のどちらを選ぶかで変わってきます。

住み替え資金はいくら必要?資金計画の立て方

資金計画は「売却でいくら手元に残るか」を先に押さえてから、新居の予算を決める順番で考えると崩れにくくなります。

住み替えを具体的に進めるうえで、資金計画は避けて通れないテーマです。売却代金の見込み、ローン残債の清算、諸費用や税金まで含めて、早い段階で全体像をつかんでおきます。

売却価格の目安を知る第一歩は査定です。地元の不動産会社であれば、公示地価や実際の成約事例と照らし合わせながら価格を提案してくれます。ただし公示地価は毎年1月1日を基準日とする年1回の公表で、直近の市場の動きをそのまま反映しているわけではありません。参考として、不動産情報ライブラリの取引データを見ると、掛川市の土地(宅地)の坪単価は直近8四半期の集計で中央値がおよそ15万円/坪です。とはいえ地点や面積によって幅があり、個別の物件価格を保証するものではありません。

住宅ローンの残債がある場合は、売却代金でローンを完済できるかどうかが最初の分かれ道です。残債を下回らなければ、その差額を新居の頭金や諸費用に回せます。反対に売却額が残債を下回る状態は、いわゆるオーバーローンです。この場合は自己資金での補填や金融機関との相談が必要になり、住み替え計画そのものを見直す判断材料にもなります。早い段階で金融機関から残高証明を取り寄せておくと、その後の計画を数字で組み立てやすくなります。

売却時にかかる諸費用としては、仲介手数料のほか、登記費用、測量費用、売買契約書に貼る印紙代などがあります。加えて、売却で利益(譲渡所得)が出た場合には、所有期間に応じた税金がかかります。譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以下なら短期譲渡所得として所得税30%・住民税9%が課税されます。5年を超えていれば長期譲渡所得として所得税15%・住民税5%が課税され(いずれも令和8年4月1日現在の法令等に基づく税率で、別途復興特別所得税がかかります)、ここでいう所有期間は建物の築年数とは別物です。取得日から売却した年の1月1日までの保有期間で判定される、という点を数字を出す前に確認してください。

マイホームの売却では、所有期間にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。加えて、居住期間10年以上などの要件を満たしたうえで令和9年12月31日までに売却し、代わりのマイホームに買い換える場合には、譲渡益への課税を将来に繰り延べられる買い替え特例も用意されています。ただしこれは非課税になる制度ではなく、課税のタイミングを先送りする仕組みです。3,000万円特別控除と買い替え特例は同じ売却について併用できず、買い替え特例には過去年の特例適用に関する要件もあります。制度が入り組んでいる部分もあるため、どちらが自分の状況に合うかは確定申告の前に数字を並べて比較しておきましょう。

住み替えで失敗しないための注意点とリスク

売却が想定より長引くと、住み替えの資金計画やスケジュールに影響するため、売却期間に余裕を持たせた計画が必要です。

ここまでの流れと資金計画を踏まえたうえで、住み替えでつまずきやすいポイントを具体的に見ていきましょう。順番や資金の組み方を誤ると、想定外の負担が発生しかねません。

まず気をつけたいのが、売却が長引いた場合のリスクです。買い先行を選んで新居の契約を先に進めた場合、今の家の売却がなかなか決まらないと、新居のローン返済と旧居の維持費が同時にのしかかってきます。売却期間が延びるほど値下げを迫られる場面も増えやすく、当初想定していた手取り額を下回ることもあります。売却を急ぐあまり大幅な値下げに踏み切ると、資金計画全体が崩れてしまいます。余裕を持った売り出しスケジュールを組んでおきましょう。

次に注意したいのが、ダブルローンと資金ショートのリスクです。買い先行で新居のローンを組んだ後、旧居の売却が遅れると、二つの住宅ローンを同時に返済する期間が生じます。毎月の返済額が重なる状態が長引けば、家計への負担は小さくありません。つなぎ融資を活用して一時的にしのぐ方法もありますが、あくまで短期の借入れです。旧居の売却が計画どおりに進まないと返済原資が確保できず、資金ショートに陥る恐れがあります。売り先行を選んでいても、仮住まいの家賃と新居の頭金支払いが重なる時期があるため、油断はできません。

見落とされがちなのが、二重の引っ越しと仮住まい費用の負担です。売却と新居の入居時期がぴったり合わない場合、賃貸の仮住まいに一度移り、そこから改めて新居へ引っ越すことになります。引っ越し費用が二回分かかるうえ、仮住まいの家賃や敷金・礼金も別途必要になります。資金計画に組み込んでおかないと、想定外の出費に驚くことになりかねません。仮住まいの期間が短く済むよう、売却と新居契約のタイミングをできるだけ近づけておくと、結果的に費用の抑制につながります。

掛川市で住み替えを相談できる不動産会社の選び方

住み替えの相談先は、掛川市内の実績と価格の根拠をきちんと説明してくれる会社を選ぶと安心です。

売却と購入のタイミング調整、資金計画、リスクへの備え。ここまで見てきたテーマは、どれも一人で抱え込むには荷が重いものばかりです。だからこそ最後の判断材料として、誰に相談するかという不動産会社選びが効いてきます。

不動産会社を選ぶ際は、掛川市内の成約事例や地価の動きを踏まえて、査定価格の根拠を具体的に説明できるかを確認してください。会社の規模だけで判断せず、掛川市内での取扱実績や対象エリアへの理解度、周辺の生活環境について具体的に説明できるかも比較材料になります。

売却と購入を同じ会社にまとめて任せるかどうかも検討材料になります。ワンストップで任せれば、売却の進捗と新居探しの情報を一つの窓口で把握でき、契約タイミングの調整もスムーズです。ただし会社によって売却と購入それぞれの得意分野には差があります。相談時には掛川市内での取扱実績や得意エリアを確認し、提示された査定根拠が公的な地価情報や成約事例と大きくかけ離れていないかを見比べてください。複数の会社の話を聞き、自分たちの住み替えの進め方に合う一社を選ぶこと。それが無理のない資金計画とスケジュールにつながります。

まとめ

掛川市内に持ち家があり、新居の購入時期をまだ決めかねている方には、この記事の内容がきっと役立ちます。押さえるべき順序はシンプルです。ローン残債と売却見込み額の差を把握し、売り先行か買い先行かを決めます。そのうえで仮住まいやつなぎ融資の要否、諸費用・税金を織り込んでから動き出すことが大切な流れになります。

順序を決めずに新居探しから始めてしまうと、資金の見通しが立たないまま気に入った物件に出会い、判断を急がされる展開になりがちです。半年後の自分が落ち着いて選べる状態をつくれるかどうかは、今の段取り次第だと言えます。

※掲載内容は執筆時点の情報です。最新情報は各自治体・関係機関の公式ホームページをご確認ください。

出典

  1. 不動産情報ライブラリ 不動産取引価格情報(国土交通省)|静岡県掛川市 — https://www.reinfolib.mlit.go.jp/#xit001
  2. 地価公示・地価調査 - 掛川市 — https://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/gyosei/docs/9849.html
  3. No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
  4. No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
  5. No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3355.htm
  6. No.3211 短期譲渡所得の税額の計算|国税庁 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm

よくある質問

掛川で住み替えるなら、売り先行と買い先行のどちらがよいですか?

住宅ローン残債があり、売却代金を新居の購入資金に充てる予定なら、売却後の手取り額を確定しやすい売り先行が選択肢になります。手元資金に余裕があり、新居の購入を先に進める場合は買い先行も検討できます。買い先行は旧居が売れ残ると二重の返済負担が生じるため、売却期限や許容できる売却価格をあらかじめ検討しておく必要があります。売り先行では引き渡し後に仮住まいが必要になる可能性を見込んでおきましょう。

掛川市の売却相場はどこで調べられますか?

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で掛川市の実際の取引価格情報を確認できます。あわせて、不動産流通機構が運営するREINS Market Informationでも成約価格を検索できますが、該当する取引情報が10件に満たない場合は原則として結果が表示されません。土地の目安としては、掛川市の地価公示・地価調査の地点別価格が市の公式サイトで公開されています。最終的な売り出し価格は、複数社の査定と根拠を比較して決めるのが確実です。

住み替えで売却したとき、税金はどのくらいかかりますか?

譲渡益が出た場合、譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下なら短期譲渡所得として30%(住民税9%)、5年を超えれば長期譲渡所得として15%(住民税5%)で計算します。これに平成25年から令和19年までは復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)が加わります。マイホームの売却では所有期間の長短に関係なく最高3,000万円を控除できる特例があり、適用要件を満たして控除後の課税譲渡所得がゼロになれば、譲渡所得に対する税額が生じない場合があります。判定は「築年数」ではなく「所有期間」で行う点に注意してください。


買い替え特例と3,000万円特別控除は併用できますか?

併用はできません。特定のマイホームの買換え特例は、売却年とその前年・前々年に3,000万円特別控除や軽減税率の特例などを受けていないことが要件になっています。また買換え特例は税金が消えるわけではなく、譲渡益への課税を将来の売却時まで繰り延べる制度です。適用期限や要件は改正されるため、申告前に国税庁の最新情報と税務署・税理士への確認をおすすめします。


住宅ローン残債が残っていても住み替えできますか?

できます。売却代金で残債を完済し、抵当権を抹消したうえで引き渡すのが基本の形です。売却代金が残債に届かない場合は、不足分を自己資金で補うか、金融機関に住み替えローンなどの取り扱いがあるか相談する流れになります。まずは金融機関の残高証明や返済予定表で残債額を確認し、査定額から仲介手数料・登記費用・税金を差し引いた手取り額と突き合わせて判断しましょう。


この記事の著者

著者 中野 安親
著者

中野 安親

代表取締役

静岡県中部エリア(藤枝市・焼津市・掛川市など)を中心に、地域密着の不動産サービスを展開する株式会社SPRING所属。

賃貸仲介から売買仲介、さらにはマンション経営オーナー向けの賃貸管理まで、住まいに関する幅広い領域を担当。

豊富な現場経験と、賃貸・売買の双方にまたがる深い専門知識を活かし、お客様一人ひとりのライフステージやニーズに寄り添った最適な住まい提案を行っている。

あわせて読みたい記事

掛川の不動産売却にかかる税金~譲渡所得と3000万円控除~ 売る

掛川の不動産売却にかかる税金~譲渡所得と3000万円控除~

不動産売却の税金は、売却額ではなく取得費・譲渡費用を差し引いた譲渡所得にかかります。3,000万円控除の条件、所有期間による税率、確定申告の手続き、税額の目安を掛川での売却に沿って解説します。

相続した掛川市の実家・土地を売却する手順と注意点 売る

相続した掛川市の実家・土地を売却する手順と注意点

相続した掛川市の実家や土地の売却を、相続登記の確認から遺産分割協議、査定、引き渡しまで時系列で整理しました。譲渡所得税や空き家の3,000万円特別控除、仲介手数料などの費用、放置リスクと相談窓口までまとめて確認できます。

掛川市の不動産売却相場と査定の正しい受け方 売る

掛川市の不動産売却相場と査定の正しい受け方

掛川市で不動産売却を検討中の方へ。2026年の最新売却相場(一戸建て・土地・マンション)を解説し、不動産会社から適正な査定価格を引き出すための正しい手順と注意点をわかりやすくまとめました。損をしない売却を実現するための比較ポイントも紹介します。

掛川市で不動産を売却する完全ガイド|流れ・査定・相場 売る

掛川市で不動産を売却する完全ガイド|流れ・査定・相場

掛川市で不動産売却を検討中の方へ。売却の流れ・査定の依頼方法・2026年の取引相場まで、初めての方でも迷わず進められるよう一記事で網羅しました。仲介・買取・リースバックの違いや、信頼できる不動産会社の選び方も解説します。

住まいのこと、なんでもお気軽にご相談ください

「初めてのお部屋探しも安心。地域密着で一人ひとりに寄り添ったご提案を行います。」

お部屋探しは不安や迷いがつきものです。私たちはお客様のご希望だけでなく、ライフスタイルや将来も見据えたご提案を大切にしています。条件に合う物件のご紹介はもちろん、「実際に住んだときの暮らしやすさ」まで考えたご案内を行います。地域密着だからこそ分かる周辺環境や生活情報も、丁寧にお伝えします。初めての方でも安心してお任せください。